ペーパーフラワーの創始者 加藤 千枝
本物と見違えるほどの美しさ

昭和45年ごろまで、ドイツでは日本が「クレープペーパー」を世界一の量を輸入する理由が判らず、市場調査に来日しはじめて「ペーパーフラワー」に使用していることを知り、生産国ドイツに加藤千枝が招待されフランクフルトで発表した。
それ以降ペーパーフラワーの技法が国際的に流れて行ったのである。素晴らしい繊細な「ペーパーフラワー」は日本で誕生していったのである。

ペーパーフラワーが合理的に作れるその理由として、テクニックの「伸ばす」「縛る」「ねじる」等の指先・指腹の技法で表現され、花びらの表情が簡単に形作られるので、特別の道具がなくても身近なハサミ、のり、ワイヤーだけあればどなたにも花作りに参加できるのがペーパーフラワーの制作における第一の特長といえる。その他価格が安いので、子供の手工芸の教材としても格好の素材であるし、軽いので大きな花が作りやすく、また移動して保存し型を最新同様に修正できることは類を見ることはできないであろう。

最近のペーパーフラワーは非常に高度化し、本物と見違えるほど美しく、和風・洋風共に素晴らしいものが見られ、染色技法も種々の方法で加えられ美しい花々が創り出されている。
用途もインテリア・ウィンドウディスプレイ・会場装飾にも至り、一本の花作りから大きなアレンジメントまで無限に応用され利用価値を高めている。まさにペーパーフラワーは、アーティフィシャルの中で一番身近な素材で付加価値の高い花を作ることが出来るものだと言えるのが、一番大切なのは愛を込めて精一杯花創りをすれば、美しい花が貴女の手元で花開くことになるであろう。生活の中でペーパーフラワーの一輪が心の支えとなり、豊かな家庭の一助となることを希って止まない。

加藤千枝
1980年(昭和55年) 加藤千枝・原稿より

創始者 加藤 千枝

【Profile】

1920年 東京生まれ(〜1994年)
手工芸全般、華道など女性教養の途から1963年開校、フラワーデザイン界に入る。
当時よりクレープ紙の研究を始め現在の「ペーパーフラワー」の言葉を普及させることに専念し、舞台・ポスター・コマーシャルをなど幅広く活躍ーヴォーグ社、雄鶏社より出版もある。
ドイツ、イギリス、モナコ、台湾などでも作品を発表し、日本のペーパーフラワーの芸術性をアピール。

  • 元全日本ペーパーフラワー協会会長
  • 元千枝ペーパーフラワーデザイン主宰
  • 元クリエイティブフローラルアートデザイン主宰